令和7年度経済産業省予算から見る最新中小企業支援策総まとめ~「成長」「転換」「脱炭素」を後押しする補助金の全体像とその狙い~ 令和7年度経済産業省予算から見る最新中小企業支援策総まとめ~「成長」「転換」「脱炭素」を後押しする補助金の全体像とその狙い~

令和7年度経済産業省予算から見る最新中小企業支援策総まとめ~「成長」「転換」「脱炭素」を後押しする補助金の全体像とその狙い~

令和7年度経済産業省予算から見る最新中小企業支援策総まとめ~「成長」「転換」「脱炭素」を後押しする補助金の全体像とその狙い~

国内経済が大きく変革する中、政府は令和7年度(2025年度)当初予算および令和6年度(2024年度)補正予算において、中小企業への支援策を大幅に強化しています。物価高や人手不足への対応、賃上げの促進、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX:脱炭素化)への対応など、中小企業を取り巻く経営課題に対し、国は強力な補助金施策を講じています。本記事では、中小企業経営者の皆様に向けて、令和7年度当初予算および令和6年度補正予算に基づき実施される主な補助金支援策の内容と政策的な狙いを詳しく解説します。各補助金の具体的な制度概要から活用事例、業種別の想定シナリオ、申請時の注意点、そして支援サービスの活用方法まで、徹底ガイドします。自社の成長戦略に補助金をどのように位置付けるべきか検討する一助として、ぜひ最後までお読みください。


1. 令和7年度当初予算・令和6年度補正予算における中小企業支援策の概要

まず今回の予算で示された中小企業支援策の全体像を押さえましょう。令和6年度補正予算と令和7年度当初予算では、中小企業の生産性向上や成長投資、経営革新を後押しするための多岐にわたる施策が盛り込まれています。特に以下のポイントが注目されます。

  • 賃上げ・人手不足への対応強化
    最低賃金付近で働く従業員の処遇改善や、人手不足を解消する省力化投資への支援が拡充されています。補助金要件に賃上げ計画の策定や実施が求められるなど、賃金引上げと生産性向上を両立させる狙いがあります。
  • ポストコロナの成長投資支援
    コロナ禍からの回復と新たな成長に向け、中小企業の思い切った設備投資や事業展開を後押しする新制度が創設されました。後述する「中小企業成長加速化補助金」や「新事業進出補助金」はその代表例です。
  • GX(グリーントランスフォーメーション)推進
    2050年カーボンニュートラル実現に向けて、中小企業の脱炭素化投資を促す予算が大幅に増額されています。省エネルギー設備の導入補助やサプライチェーン全体でのCO2削減支援など、環境対応を経営に取り入れる企業への支援策が強化されています。
  • 既存の主要補助金の継続・拡充
    ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金といった従来からある代表的な補助金施策も、補正予算により予算が追加され要件や枠組みが見直されています。例えば最低賃金アップに対応した特例枠の新設や補助上限額の引き上げなど、中小企業のニーズに合わせた運用改善が図られています。

以上のように、中小企業庁・経済産業省は今回の予算を通じて「稼ぐ力」を高める投資と経営革新を後押しし、地域経済や雇用の底上げにつなげる意図を明確にしています。次章では、これら支援策の中でも特に注目度が高い3つの新たな補助金制度にフォーカスし、その内容と活用シナリオを詳しく見ていきます。


2. 注目の中小企業向け補助金施策と活用シナリオ

令和7年度当初・令和6年度補正予算で新たに創設・拡充された補助金の中から、特に中小企業経営者が注目すべき「中小企業成長加速化補助金」、「新事業進出補助金」、「環境対応(GX)補助金」の3つについて、その制度概要と具体的な活用イメージを解説します。いずれも中小企業の成長戦略に沿った投資を強力に支援するものですが、支援対象や要件が異なるため、自社の状況に合った制度を見極めることが重要です。

2.1 中小企業成長加速化補助金 ~大型投資で飛躍を目指す~

「中小企業成長加速化補助金」は、令和7年度当初予算で新設された中小企業向けの大型投資支援策です。売上高100億円規模を目指す成長志向の中小企業を対象に、飛躍的成長につながる思い切った設備投資を補助するのが特徴で、将来的に年商100億円を超えるような中堅企業を次々と生み出すことが政策的な狙いです。日本の中小企業の中には高い潜在力を持ちながら資金制約で大きな投資に踏み切れない企業も多いため、そうした企業の背中を押し、新たな地域の柱企業・雇用創出企業へと育てることを期待しています。

制度の概要として、本補助金では1件あたり最大5億円(補助率1/2)の補助が受けられます。補助対象は工場や物流拠点の新設・増設、生産プロセスの自動化につながる機械装置やシステムの導入など、事業規模拡大に直結する設備投資が中心です。採択された場合、交付決定から最長2年間の事業実施期間内に設備導入や建設を行い、その経費の一部が補填されます。

ただし応募にあたってはいくつか重要な要件があります。

  • 「100億宣言」の実施
  • 1億円以上の大型投資
  • 賃上げ計画の策定
  • 明確な成長戦略の提示

これらを踏まえた上で、公募要領や審査項目に合致する説得力のある事業計画を作成することが大切です。

想定活用シナリオ

  • 地方製造業が生産ラインを自動化・増強して一気に受注拡大を狙う
  • 老舗食品メーカーが第2工場を建設し、全国流通・海外展開を視野に入れる
  • ハードウェア系スタートアップが量産体制を整え、ベンチャーから中堅企業へ飛躍する

いずれの場合も、大規模投資による売上拡大や付加価値向上、さらに賃上げを実施することで、政府が掲げる「100億円企業」の育成に直結します。ただし補助額が大きい分審査競争も激しく、申請前に市場調査や事業戦略の再点検を十分行い、書類の完成度を高めることが必須です。


2.2 新事業進出補助金 ~新分野へのチャレンジを後押し~

「新事業進出補助金」は、令和6年度補正予算で創設された中小企業向けの新たな投資支援策です。中小企業が現在の事業領域とは異なる新分野・新市場への進出に挑戦する取り組みを重点的に支援するもので、ポストコロナ時代の事業構造転換や多角化を促す狙いがあります。

制度の概要としては、補助率は基本1/2(小規模事業者等は2/3も想定)で、補助上限額は企業規模に応じて設定されています(従業員数に応じて2,500万円~9,000万円程度など)。補助下限額もあるため、中規模以上の投資案件が主な対象となります。建物の改修費や機械装置費だけでなく、マーケティングやIT導入、専門人材の採用費など幅広い経費が対象になっている点が特徴です。

申請要件としては「新規性」を明確に示す必要があり、付加価値額の年平均成長率4%以上や従業員賃金引上げの計画策定などが求められます。これは単なる拡販ではなく、まったく新しい市場・顧客層に向けた事業を立ち上げ、高収益体質を確立してほしいという政策意図が背景にあるためです。

想定活用シナリオ

  • 自動車部品メーカーがEVシフトに対応し、医療機器分野など新規分野へ参入
  • 地元特産品メーカーが高付加価値ブランドを立ち上げ、新市場(海外・EC)を開拓
  • 観光業がITソリューション事業に乗り出し、デジタルサービスを新たな柱に育成

いずれも既存事業とは異なる新事業を興し、一定期間内に大きく付加価値を伸ばすことを目指します。申請にあたっては、自社のリソースと新市場への参入プランを丁寧に整理し、成長予測の根拠やリスク対応策、賃上げの実現可能性を論理的に示す必要があります。十分な時間をかけて事業計画を磨き上げることが採択のカギとなるでしょう。


2.3 環境対応(GX)補助金 ~脱炭素化への投資支援~

カーボンニュートラル社会の実現が世界的な潮流となる中、GX(グリーントランスフォーメーション)関連の補助金も中小企業にとって見逃せない支援策です。令和7年度当初予算では経済産業省全体でGX推進に大規模な予算が計上されており、脱炭素化に向けた投資支援が強化されます。

主な補助金メニュー

  • 省エネルギー投資促進事業
  • 再生可能エネルギー導入支援
  • GXサプライチェーン構築支援事業
  • 地方公共団体の環境系補助金・助成金(自治体独自施策も存在)

省エネ機器の更新や太陽光発電システム、蓄電池の導入など、環境負荷低減に資する設備投資が補助対象となるケースが多いのが特徴です。補助率は1/3~1/2程度で、大企業より中小企業のほうが優遇される場合が多々あります。

想定活用シナリオ

  • 老朽化したボイラーや空調設備を高効率機器に更新し、エネルギーコストとCO2排出を大幅削減
  • 倉庫や工場屋根に太陽光パネルと蓄電池を導入し、自己消費型電源確保で光熱費を抑えつつCO2フリー化
  • GX関連製品の製造ラインを立ち上げるなど、環境ビジネスへの参入に伴う設備投資を補助

環境対応は単なるコストではなく、経営の競争力やブランド価値を高める要素でもあります。特に海外取引や大手企業とのサプライチェーンでの温室効果ガス排出削減要請が強まるなか、早期に脱炭素投資を行うことで長期的に有利なポジションを築けるでしょう。申請時は省エネ効果やCO2削減量などを定量的に示す必要があるため、機器メーカーや専門家と連携し、正確な試算データを用意しておくことが大切です。


3. 補助金申請における注意点と成功のポイント

以上、注目の補助金策を見てきましたが、実際にこれらを「使いこなす」ためには共通して押さえておきたいポイントがあります。補助金申請は競争も激しく、準備不足や勘違いから不採択となってしまうケースも少なくありません。ここでは補助金活用全般に関わる実務的なアドバイスをまとめます。

  1. 経営戦略と一体化させる
    補助金はあくまで「経営戦略の実行を後押しするツール」であり、それ自体が目的ではありません。自社の中長期ビジョンに基づき、「どのような経営課題に対応するのか」「補助金でどこまで踏み込んだ投資ができるのか」を明確にしなければなりません。
  2. 公募要領を熟読する
    各補助金には細かな応募資格や要件があります。例えば賃上げ計画必須、〇〇業種は対象外など、要件に合致しないと書類が開封されない場合もあります。公募要領を隅々まで読み、自社が条件を満たしているか自己チェックしましょう。
  3. 申請書類の精度を高める
    申請書類では政策の趣旨に沿ったキーワード(生産性、付加価値、賃上げなど)を織り込みつつ、具体的な数値計画や実行体制を記載します。根拠のない楽観シナリオは説得力がないため、市場データや自社の過去実績などエビデンスを示す必要があります。不備のないよう書類チェックリストに沿って準備し、誤字脱字や添付漏れも徹底して防ぎましょう。
  4. スケジュールと段取りの管理
    補助金は公募開始から締切まで1~2ヶ月程度しかないことが多く、その間に社内稟議の決裁、GビズID取得、見積書収集などを並行して進めなければなりません。特にGビズIDプライムの取得には数週間かかるケースがあるため、早めの準備が欠かせません。電子申請締切直前にシステムが混雑する例も少なくないので、最終提出は余裕をもって行いましょう。
  5. 専門家・支援機関の活用
    自社だけで対応が難しい場合、認定支援機関や商工会議所、コンサルタント企業などの力を借りるのも有効です。経営計画のブラッシュアップや書類作成、提出手続きの代行など、経験豊富な専門家のサポートを得ると採択率が向上する傾向があります。
  6. 採択後の実行・報告をしっかり行う
    交付決定後に実施する投資や経費支出については、必ず補助金のルールを守って進める必要があります。報告書類や証拠書類(領収書、契約書など)の管理を怠ると、最悪の場合補助金が受け取れなくなることもあります。採択がゴールではなく、実行フェーズまできちんと見据えて管理を徹底しましょう。

4. 補助金活用を支援するOne Step Beyond株式会社のサービス

「補助金を活用したいが、申請の手間やノウハウ不足が心配だ」「どの補助金が自社に最適なのかを見極められない」といったお悩みをお持ちの経営者の方も多いと思います。そこでご紹介したいのが、補助金申請を専門家がトータルサポートするサービスです。

One Step Beyond株式会社では、中小企業診断士を中心としたプロフェッショナルチームが、中小企業の補助金活用を伴走支援しております。当社の「補助金申請サポート」は以下の流れで進みます。

  1. 初期相談・ヒアリング
    まず経営者の方から自社の事業内容や課題、計画中の投資案件などをヒアリングします。「どの補助金が使えるのか分からない」という場合でも、当社が最新の公募情報を踏まえて御社に適した制度を選定いたします。
  2. 戦略策定と計画書作成
    申請方針を固めたら、事業計画の骨子をクライアントと共有し、戦略ストーリーを構築します。続いて公募要領に沿った事業計画書(申請書)の作成代行を行います。審査員に響くキーワードの入れ込み方や、数値目標の設定など、採択されやすいノウハウを惜しみなく提供します。また、必要となる添付書類(見積書、法人登記情報など)の準備もサポートします。
  3. 電子申請手続き
    完成した申請書類を電子申請システムで期限内に提出します。GビズIDプライムの取得代行やjGrantsの操作方法の指導なども行い、書類不備や提出ミスを防ぎます。
  4. 採択後のフォロー
    採択後は交付申請、事業実施、中間報告、実績報告など一連の手続きが続きます。補助金額の確定と支払いを受けるまで、必要書類の整備を含めて当社が伴走サポートいたします。報告段階でのミスや期限遅延があると不支給となりかねないため、ここまでしっかりフォローするのが当社の大きな特徴です。

当社ではこれまで100件以上の補助金採択支援を手がけ、累計14億円以上の補助金取得に成功してきました。ものづくり補助金やIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金など、多様な国の補助金をカバーしており、採択率も高水準を維持しています(平均80%以上)。採択実績を重ねる中で培ったノウハウと実務フローを生かし、御社の補助金活用を全力でサポートいたします。


5. おわりに

令和7年度当初予算および令和6年度補正予算に基づく中小企業向け補助金支援策について、主要な制度の狙いと活用ポイントを解説してきました。中小企業成長加速化補助金で大胆な設備投資に踏み切り飛躍を遂げる道もあれば、新事業進出補助金で新分野に挑み第二の柱を育てる道もあります。さらにGX関連補助金を活用して脱炭素経営に転換し、コスト削減と競争力向上を両立することも可能です。

いずれの施策も、中小企業が経営革新に挑戦しやすい環境を整え、日本経済全体の底上げにつなげることを目的としています。重要なのは、自社にフィットする補助金を見極め、その政策的趣旨を理解した上で申請計画を練り込むことです。補助金は返済不要の貴重な資金ですが、投資や施策を実行し成果を出すまでが本番。採択されたら終わりではなく、長期的にどう活かしていくかを考えなければなりません。

補助金を上手に活用すれば、自己資金や借入だけでは難しかった大胆な経営判断が可能となり、企業の成長スピードを加速させる大きな武器となります。本記事が、中小企業経営者の皆様にとって補助金利用のヒントとなり、一歩先へ踏み出すきっかけになれば幸いです。詳しい情報や申請支援をお求めの際は、One Step Beyond株式会社までお気軽にご相談ください。補助金を通じて、日本の中小企業がさらなる飛躍を遂げることを心より応援しています。

補助金活用戦略のご相談はOne Step Beyond株式会社へ

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