スリランカ大統領選挙は昨日(2024年9月21日)投開票が行われ、野党・国民の力(NPP)/人民解放戦線(JVP)党首、アヌラ・クマーラ・ディサナヤケ氏の当選が確実な情勢です。
スリランカ大統領選挙:郵便投票結果からディサナヤケ氏優勢の見通し(The Hindu 電子版 2024年9月22日)
2024年9月22日(日)に行われたスリランカの大統領選挙において、国民人民勢力(NPP)のアヌラ・クマーラ・ディサナヤケ候補が、第9代大統領に就任する見通しが強まっています。7つの選挙区の郵便投票結果によると、ディサナヤケ氏が圧倒的な支持を得ていることが明らかになりました。
投票は9月21日(土)の午前7時から午後4時まで、22の選挙区にある13,400以上の投票所で実施されました。
56歳のディサナヤケ氏は、主要野党党首のサジス・プレマダサ氏(57歳)と現職のラニル・ウィクラマシンハ大統領(75歳)を大きく引き離しています。7つの選挙区の郵便投票結果によると、ディサナヤケ氏が56%の得票率を獲得し、他の2候補はそれぞれ19%にとどまっています。
この傾向が続けば、ディサナヤケ氏が50%以上の得票率で勝利する可能性が高いと分析されています。これは当初、3候補による接戦で決選投票が必要になるとの予測を覆す結果となっています。
ウィクラマシンハ氏、ディサナヤケ氏、統一国民勢力(SJB)のプレマダサ氏による三つ巴の戦いと言われていたこの選挙ですが、ディサナヤケ氏の地滑り的勝利の様相を呈しています。もし勝利すれば、ディサナヤケ氏はスリランカ初のマルクス主義国家元首となります。
この選挙結果は、経済危機に苦しむスリランカの政治に大きな転換をもたらす可能性があります。ディサナヤケ氏の政策や国際社会の反応など、今後の展開が注目されます。
スリランカ大統領選挙:マルクス主義傾向のディサーナーヤカ氏が序盤リード(Reuters、2024年9月22日)
2024年9月22日、スリランカの大統領選挙において、マルクス主義傾向の指導者アヌラ・クマーラ・ディサナヤケ氏が序盤から圧倒的なリードを獲得しています。この選挙は、2022年の経済危機以降初めての大統領選挙となります。
主要ポイント
- 開票速報によると、ディサナヤケ氏が約100万票のうち53%を獲得
- 野党党首のプレマダサ氏が22%で2位、現職のウィクラマシンハ大統領が3位
- 有権者の約75%(1700万人中)が投票に参加
ディサナヤケ氏(55歳)は、国民人民勢力(NPP)連合の候補者として出馬しました。NPPには彼のマルクス主義傾向の人民解放戦線(JVP)党も含まれており、より強い国家介入、減税、閉鎖的な市場経済政策を支持しています。
JVP党は議会でわずか3議席しか持っていませんが、ディサナヤケ氏は強力な反汚職措置と貧困層寄りの政策を約束し、支持を拡大しました。彼は「変革の候補者」として自身を位置づけ、政権獲得後45日以内に議会を解散し、総選挙で政策の信任を問うことを約束しています。
この選挙は、2022年の外貨不足による経済危機以来初めての選挙です。危機時には、数千人の抗議者がコロンボで行進し、大統領府を占拠、当時のゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の辞任を迫りました。
IMFの29億ドルの救済プログラムにより、経済は暫定的な回復を見せていますが、生活費の高騰は多くの有権者にとって依然として重要な問題です。インフレ率は危機時の70%から先月には0.5%まで低下し、経済も3年ぶりに2024年にはプラス成長が予想されています。しかし、多くの国民が貧困に苦しんでおり、次期指導者に未来への希望を託しています。
新大統領は、2027年までIMFプログラムを継続し、経済を安定成長軌道に乗せ、市場を安心させ、債務を返済し、投資家を引き付け、国民の4分の1を貧困から脱出させる必要があります。
ディサナヤケ氏は、財政目標に影響を与える大幅な減税を公約していますが、選挙運動中はより協調的なアプローチを取り、IMFとの協議の上で変更を行い、債務返済にもコミットすると述べています。
この選挙結果は、スリランカの政治経済に大きな影響を与える可能性があり、今後の展開が注目されます。One Step Beyond株式会社は、こうした複雑な国際情勢の中でも、中小企業の皆様が最適な海外展開を実現できるよう、きめ細かなサポートを提供いたします。スリランカの独自人脈から最新の政治情報を随時入手しております。
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